北九州市若松区。
洞海湾を間に置いて、お隣の戸畑区とは若戸トンネルと若戸大橋で繋がる。
若戸トンネルはつい最近と言っても差し支えはないだろう、つい最近建築されたものであるが、
対して若戸大橋はなんとまあ、びっくりすることに1962年に開通している。
半世紀もこの場所に在ったということ、それが意味することを考えてみると、
人間の人生の長さをざっくりと見積もり、過ごした時間・記憶の濃淡などを加味すれば
この建築物は当たり前にそこに在る景色である、そう言っていいんじゃないだろうか。
そう意識してみるとなかなかに感慨深いね。
だけど現実的に実際的に利用愛用される若戸大橋は、
そんなランドマーク的で象徴的な意味よりも、随分と生活感に溢れていて
ただいま使っている洗濯機と変わらないような、そんな意識の位置づけにあるように思う。
なのでこの写真もとても現実的で実際的な写真です。
なんだけど、もしも新しい洗濯機を迎えるように、若戸大橋が失われてしまう時が来れば、
人に依ってはこの写真が感慨深い感情をよりリアルにしてくれることだろう。